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2016年8月21日

氣づきと発見の数学史

(森田真生『数学する身体』新潮社 2015年)

森田氏の処女作。文学的で哲学的な書名。本書で数式はほぼ出てこない。これは「氣づきと発見の数学史」だと思った。他分野の研究成果も盛り込まれていて、面白く読んだ。

多岐にわたる数学の歴史に一本の水脈を通す。人類はいかに数字を数えてきたかから始まり、哲学と密接に関わったギリシア数学の論証、アラビア・イスラム世界で育まれた計算が近代に入り西欧で定着、そして、チューリングの機械と岡潔の情緒に辿り着く。

森田独特の着眼点から氣づきも得た。

本書の地下水脈は「自然の中での人の心とは何か」だと思う。
数学者・岡潔の思想は「情緒」にあるという。彼は数学の論理の世界に身を置きながら、心を大切にしてきた。それは脳内に収まり切れるものではなく、もっと大きな何かであると。それが情緒であるようだ。

森田氏の今後の活躍に期待する。

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